こんにちは!ミートくんです。
tZEROの親会社のOverstock(NASDAQ:OSTK)が絶好調です。
本業の通販事業も好調で株価は3月の底値2ドル台から、わずか4ヵ月で80ドル台。
そして、OverstockはMedivi Venturesというブロックチェーン関連企業に投資を行うベンチャーファンドも運営していますが、インベスコの世界ブロックチェーン株式ファンドの組み入れも8.1%で1位になっています。
→ http://www.invesco.co.jp/attach/141901/f4/Blockchain_20200630.pdf
インベスコのブロックチェーンファンドにも記載がありますが、Mediciは証券取引、サプライチェーン、個人認証、選挙などなど幅広いブロックチェーン関連企業に投資しています。
私はOverstockの収支報告会を毎回聞いていますが、その中でもtZEROに最も力を入れているわけです。
まぁ純粋に取得している株数が多いというのも理由ではあります。
実は!!
Mediciのポートフォリオ企業で証券取引の分野にはtZERO以外にSymbiontという会社がありまして、前々から気になっていました。
今回、ナスダックが新たに提供するサービスにこのSymbiontが絡んでいまして、
「こりゃSymbiontについて記事にしないと駄目だな!」
と思い立った次第です。
本当はナスダックが提供するnasdaq marketplace services platformについて記事にしようと思ったのですが、Symbiontについて記事書いたら長くなちゃったので別の機会に。

Symbiontについて調べてみた
Symbiontは2015年に創業した「ブロックチェーン技術を金融機関への導入」に力を入れている会社です。
私は投資家なので視点がそっちに行きがちなのですが、まずは資金調達の状況から。
■2019年1月
まずは直近のラウンドから。2019年1月にナスダックベンチャーズ主導で約21億円の資金調達をしました。
ちなみにですがナスダックベンチャーズは2017年に発足していて、AIとかブロックチェーン関連企業に投資をしています。2020年8月現在9社に投資をしていますね。
https://kyodonewsprwire.jp/release/201901242510
日本語の方がわかりやすいかと思って日本語のプレスリリースを掲載しておきます。
シリーズBラウンドにて約21億円の資金調達をしましたが、このラウンドにはシティグループの参加しています。
このラウンドで調達した資金は、モーゲージ、非上場株式、シンジケートローンなどの分野の金融商品の開発に利用するそうです。
ナスダックベンチャーズは『Symbiontが手掛けている、企業向けのブロックチェーンとスマートコントラクトをナスダックのフレームワークに組み込む!』と発言していました。
要はSymbiontのブロックチェーンとスマートコントラクトをナスダックのビジネスに利用するって事ですね。
あとでちょっと解説しますが、Symbiontが企業向けに「Assembly」は金融機関に中央機関を介さないピアツーピアの取引を提供しつつ、データを共有するという証券取引にとって画期的な仕組みを提供しているそうです。
資産運用会社のVanguardもSymbiontと提携しているんですよね。これも後述します。

■2017年7月
ここでOverstockのMediciが登場するのですが、Symbiontは2017年の段階でOverstockから大きな出資を受けています。
投資金額は明らかになっていないのですが、「Big investment」といった具合で表現されています。シリーズAという事ですね。
Medici Ventruesのポートフォリオ企業としてHPにも掲載されているので、結構な比率の株を取得しているのでしょう。
ちょうどこの頃にアメリカのデラウェア州の法改正があり、「会社の所有権を示す株式のレコードキーピングをブロックチェーンで行う事が可能」になったんですね。
上場株式とかって全部リアルタイムで履歴を終えないので、Cede&Coという会社1社にほぼすべての株式をぶち込んでDTCという機関が記録していってるじゃないですか。
デラウェア州の法改正によって、ブロックチェーンで会社の株式の枚数や誰がもっているなどを記録していってOKだよ!という事になったわけです。
ちなみになんですが、Mediciが出資している農業のサプライチェーン関係の会社、GrainchainもSymbiontのAssemblyを利用してビジネスを展開するそうです。2020年の3月に発表がありました。

■2015年の創業時
Symbiontは2015年に創業した会社なのですが、ニューヨーク証券取引所が運営していたNYSEユーロネクストの元CEOがシード投資家として投資を行っています。
約1.3億円をSymbiontに投資したそうです。
こういった著名な方が投資をしているからなのか、2017年の段階で19社の金融機関がSymbiontを利用する事が明らかになってしました。
そのうちの1社にはCredit Suisseも入っています。
Symbiontの共同経営者のMarkは2004年に為替取引の裁量価格を発見するオーダールーティングに関する特許とコモディティの大口取引を執行する仕組みについての特許を持っているそうです。
その方はスマートコントラクトに注目してスマコン技術を金融取引に持ち込もうぜ!というのがSymbiontという会社なわけですね。

つまり、まとめるとSymbiotは創業5年(実際は7年らしい)で明かされいる資金調達の総額は約60億円で、我らがOverstockが手掛けるMediciのポートフォリオ企業という事です。
企業評価額は明かされていないっぽいのでわかりません。
Symbiontのビジネスについて
資金調達のところで軽くSymbiontのビジネスについてジャブを打っていましたが、
「ブロックチェーン技術を金融機関へ導入」
という点では右に出る者はいないんじゃないかなと思います。
私は技術畑の人間ではない(決まり文句)ので、ザックリとした説明になります。
Symbiontは企業向けのブロックチェーン(プライベートチェーン)プラットフォームの「Assembly」を提供していて、金融機関が抱えるシステムの非効率性を解決しようとしています。
Symbiontの顧客は世界の金融市場をリードする金融機関が名を連ねていて、Assemblyはローンや証券の発行、売買履歴の追跡、管理つまりライフサイクル全般を行えるプラットフォームです。

というわけでちょっと詳しくSymbiontの提供するサービスを見ていきましょう。
〇オルタナ資産
オルタナ資産というのは不動産とか非上場株式など「流動性の乏しい資産」の事です。
流動性に乏しい資産というのは、現金化が難しい、売買の場がほとんど無い、投資商品の事で、不動産、非上場株式、宝石・貴金属・芸術品などの資産、コモディティなどが挙げられますね。
コモディティってのはレアメタルとかそういった系です。
こういった流動性に乏しいオルタナ資産の発行、売買ってのはいまだに手作業で行われていまして多くのペーパーワークを必要としているわけです。
そして市場参加者のデータ共有ってのは情報漏洩しちゃダメですし、管理に細心の注意が必要なので・・・
中央管理者にいない一気通貫のプラットフォームが必要なわけです。それがAssemblyってわけですね。
例えば上記のような感じ。
1、デラウェア州にて会社なり、ファンドなりを設立
2、Templumがデジタル証券の発行
3、Tempumのセカンダリーマーケットで相対取引
4、ナスダックにてIPO
5、ナスダックにて発行済証券の管理(誰が株式を何枚保有しているかなどリアルタイム)
このそれぞれのステージにはデラウェア州に法人登記を行うエージェント、VCファンド、弁護士事務所、投資銀行、取引所などなど多くの参加者が登場するわけですが、それぞれが別々にデータ管理して大量のペーパーワークをこなすのではなくて、Symbiontが提供しているAssemblyを利用して全部システム化しましょうという事ですね。
これまでの仕組みでは大量のミドル/バックオフィスの業務が必要だった作業を自動執行できるように仕組みを整えるわけです。

〇データマネジメント
Symbiontは金融商品のデータ提供者と利用者をつなぐ技術も提供しています。
例えばインデックスファンドが1番良い例だと思いますが、指数(インデックス)というのは様々な株価の平均を出しているわけじゃないですか。
なので利用者は価格データをよりリアルタイムで正確なものを知りたいし、色んなところからデータ引っ張ってきて集約する仕組みが必要なわけです。
データ提供元の信頼性ってのも大事なので、セントラルパーティ(中央管理者)の存在しない信頼できるデータを利用したいわけです。
例えば上記は世界最大級の投資信託運用会社であるバンガードの例です。
バンガードは、運用資産の約4分の1の約1.3兆ドル(約140兆円)のインデックス管理にAssemblyを導入しています。
Symbiontはインデックスのデータをリアルタイムで引っ張ってくるCRSP(center for research in security prices)とも提携をしており、バンガードはインデックスの最新で正確な価格データを直接利用できるそうです。
元々CRSPのデータを使っていたわけではありますが、「データの取り込み」を自動化できるため、これまで手作業で行われていた業務の一部を自動化できるそうです。

〇FX市場とOTCデリバティブ
為替市場とOTCのデリバティブにつきものなのは、カウンターパーティリスクですね。
カウンターパーティリスクというのは簡単に言えば、「取りっぱぐれ」の事です。お金払ったのに貰えない、渡したのに返ってこないとかそういったイメージ。
それをスマートコントラクトを使えば、条件を指定して確実に資産が移動するので取りっぱぐれがないという事です。
〇資産裏付け証券と配当の支払い
未上場株式や不動産私募証券などは、証券の発行体、アンダーライター、カストディアン、トランスファーエージェントのそれぞれがデータを別々の保有していて、各機関がデータ共有をしていないのが実情です。
それぞれがペーパーワークのデータを渡し合っているのが事実。
Symbiontは関連規制を完全に遵守しながら、証券の発行から流通、管理までを一気通貫で行えます。
発行市場に関して言えば、中央集権の証券保管振替機構的な機関を必要とせずにブロックチェーン上に発行した証券の記録&管理を行えますし、
流通市場に関して言えば、t+2を必要としないt0の即時決済を可能にするわけです。すると、今まで価格が不明瞭だった流動性の無い資産に流動性が生まれて、適切な価格になっていくという利点があります。
そして、上場株式に欠かせないのは「カストディ」の存在ですが、信頼できるカストディアンとも接続をしています。
そのため、配当の支払いも自動化できるので、証券保有者に配当を自動執行します。
FX市場とOTCデリバティブと&資産裏付け証券と配当の支払いのイメージ
資産運用会社、カストディ、証券会社、投資銀行などなどをAssemblyでつなぐイメージ。

〇モーゲージ
Symbiontは1977年にバンクオブアメリカのモーゲージを証券化したルイス・ラニエリが運営しているRanieri Partnersと提携しています。
不動産担保証券というやつですね。
ミートくんはちょうどリーマンショックの前の年からアメリカの大学に通っていたので、このころ不動産担保証券(MBS)を聞かない日は無かったですねー。
上記はローン市場の市場参加者ですが、Symbiontが認証した参加者同士でプライベートチェーン上のデータを共有して自動化する仕組みを構築しているそうです。

まとめ
なんか語り尽くせなかったので、随時内容を足していきたいと思います。
1番言いたいのは、2017年の段階で出資しているOverstockすごいよねって事なんですけどね。