お知らせ
こんにちは、ミートくんです。
コロナの影響もあって「オンラインで家具を販売する!」というOverstockのビジネスは絶好調のようですが、Overstockはブロックチェーン関連企業に投資しまくっているのもご存知の通りかと思います。
今は10位に入っていませんが、一時期インベスコの世界ブロックチェーン株式ファンドの組入れ1位にOSTKが入っていたくらいです。
そんなOverstockですが、2014年にMedici Venturesを立ち上げて様々なブロックチェーン企業に出資をしています。
その代表がtZERO。
他にもSymbiontとか、選挙の投票をブロックチェーンで行う会社のVoatzとか、不動産の登記をブロックチェーンで行うMedici Land Governanceとか、ワインをブロックチェーンで管理する会社のVincentとか18社(2021年1月現在)に出資をしているんですよね。
Overstock → Medici → ブロックチェーン関連企業
という構図でした。
今回、そのMediciがLPになりましたので!記事にしてみました。
OverstockとPelion Venture Partnersが提携
1月25日にOverstockとPelion Venture Partnersが提携をしました。
Pelion Venture Partnersは「プライベートエクイティ投資(=スタートアップなど非上場企業への投資)」をしている会社でして、比較的アーリーステージの会社に投資をしています。
Pelion Venture Partnersに関してはあとで詳しく話します。
アーリーステージというのは企業がまだ立ち上げの段階で投資をするので、リスクは高くなる分リターンも高くなるという性質の投資です。
Pelion Venture Partnersは34年前の1986年から活動をしています。
初期の段階の企業に投資をして手助けしながら(ハンズオンと言います!ここ重要)成長させていくベンチャーキャピタルなわけです。
これでMediciはPelion Venture Partnersの「LP」になったわけですが、
そもそもLPとは何ぞやという話です。
LP対して「GP」というのが存在するのですが、GPについて理解できれば話が早いかなと。
GPとは
ゼネラルパートナーの略。ファンドの管理運営全般を行う。いわゆる運営権がある人です。
Mediciはこれまで自社でファンドを組成して、投資決定、管理業務を行ってきたわけですが、
『今回の提携で第三者であるPelion Venture Partnersに運営権を委託した』
という事です。
つまり、経験豊富でハンズオンを行っている第三者のベンチャーキャピタルに運営権を渡して、tZEROを代表とするMediciのポートフォリオ企業の成長を手伝ってもらうという事です。
ベンチャーキャピタルの過去の実績の事を「トラックレコード」と言いますが、トラックレコードがしっかりあるベンチャーキャピタルには人(=提携先や社員)やお金も集まってきますからね。
余談ですが、Securitizeが日本でこれだけのマーケットを拡大できたのはベンチャーキャピタルのグローバルブレインのおかげだったりしまして。
ハンズオンを行うVCは企業の成長をお手伝いしながらリターンを得るという仕組みなわけです。
Pelion Venture Partners → GP
Medici → LP
になったという事で、LPとは何ぞや!がわかってきたと思います。
LPとは
リミテッドパートナーの略。リターンを得ることを目的としてGPに資金の運用を委託する投資家。
LPってのはつまり投資家でして、ファンドにお金を出す人の事です。
Mediciは今までやってきたベンチャーキャピタルとしての活動をファンドとして、資金としてPelion Venture Partnersの傘下に入ったみたいなイメージです。
私もアメリカのファンドにいくつか投資した経験がありますが、LPってのは長ったらしい投資契約書を書いて、お金を出して、GPに運用してもらうという事です。
なので、繰り返しになりますがMediciの運営権がPelionに渡ったという事なのです。
ちなみにですが、今回のOverstockとPelion Venture Partnersのアグリメントを読みたい方はこちらから。
→ https://investors.overstock.com/static-files/4a1cf588-e3a9-4291-b260-d0a31563b80e
Pelion Venture Partnersについて
Pelion Venture Partnersはスタートアップ企業に投資をして、成長を後押ししながらリターンを獲得するVCとお伝えしました。
Pelion Venture Partnersはこれまでに以下のトラックレコードがあるみたいです。
中でも成功した投資が、redhatという会社で、2019年7月にはIBMに340億ドル(当時約3.6兆円)にて買収されたそうです。
このようにアーリーステージの企業に投資をして、企業を成長させて大企業に買収されるor IPOを行う事で絶対リターンを獲得するのが、Pelionの仕事です。
他にもPelionの成功したディールを知りたい場合は、以下からご覧ください。
→ https://pelionvp.com/transactions/
世界最大級のベンチャーデータベースのCrunchbaseの情報も載せておきます。
https://www.crunchbase.com/organization/pelion-venture-partners
これまで7つのファンドを組成して、159社に出資を行い、37社がイグジット(買収やIPO)を行っています。
創業者は2013年に引退して現在は6名のGPがいるみたいですね。
日本人の一般投資家からするとベンチャーキャピタルってあまり馴染みが無いかもしれませんが、市場規模はめちゃくちゃでかくてですね。
2020年はコロナの影響にも関わらず過去最高のファンディング(資金提供)だったようです。
Venture Capital Funding Report Q4 2020
本数は減っているけど金額が増えているという事で、1本あたりの金額が大きくなっていますね。
2020年は1,300億ドルもの資金がベンチャー企業に投資されています。2,000年以降右肩上がりで成長しているのが図でおわかりになるかと。
今回のニュースでtZEROはどうなるのか
わからん!
けども、少なくともPelion Venture Partnersは「絶対リターン」を獲得するために投資先企業の企業価値を上げないといけないですから、tZEROのビジネスの後押しをするのは間違いないです。
またGPとしての経験でアーリーステージの企業が成長するためのノウハウもあるでしょうから、tZEROにとっては良い事ですね。
まとめ
経験豊富なVCがハンズオンで入るのでこれからtZEROがどうなるのか楽しみです。
tZEROが30ドル越えたらキャッシュで家を買う約束を妻としてしまいました。今年中ですかね。