セキュリティトークン

tZEROの進捗状況【Overstockの収支報告会2019Q4より】

こんにちは!ミートくんです。

恐怖指数が75を超えたり、ダウが1987年以来の下げ幅を記録したり、日経平均が下落して日銀赤字なんじゃないかとなったり、世界経済が荒れに荒れていますね。

本来、こういった時にこそ不動産やベンチャー企業の株式がオルタナティブ投資として本領を発揮すべきじゃないですか。

なので総悲観な時期ではありますが、淡々と粛々とベンチャー企業の行く末を見守るべきリサーチを継続している次第です。

注意

この記事ではtZEROの進捗状況を解説しています。あくまで収支報告会の内容をまとめているものなので、投資助言ではないことにご留意ください。tZEROの証券の購入を斡旋したりしているものではありません。金銭を授受してtZEROの購入をサポートするといった事も一切していません。投資にはリスクが伴いますのでご自身の判断でお願いします。

以下もただの感想と個人の経験です。

それと!

投資助言ではありませんが、TZROPがめちゃくちゃ安いのでどんどん買っていってます。

tZEROは2017年に約150億円の資金調達をしましたが、過去の収支報告会で発表があったように90%が米国の投資家です。つまり、適格投資家やファンドです。彼らは基本的に売らないと思っています。

残り10%が外国人になっていて、約15億円分は外国人がTZROPのセールに参加したわけですね。

SECに提出している目論見書にも書いてあるように、セール価格は8ドルもしくは10ドルなわけなので、

おそらくセールに参加した10%の外国人が相対取引で安く売りに出している状況」

というのは、ほぼ確実な状況かと。

ビットコインを200万円くらいで買って、生活費のために売ってしまう人がいるように、株に1,000万円つっこんで200万円で全部売ってしまう人がいるようにtZEROも売っている人達がいるというわけです。

本来ベンチャー企業の投資ってのは5~10年スパンで行うものですから、個人的には売るのは謎なのですが、他の投資家にとっては安く拾うチャンスなんじゃないかなと思います。

そもそも1日のボリュームが250万円くらいなので、比率で言えば全体の0.00016%くらいなので価格はあってないようなもんなんですけどね。

とうわけなので、購入したい人は口座開設してドル送れば買えますよ。

5年後にバカみたいに儲かったらなんかおごってください。

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非適格投資家のtZEROの口座開設方法

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前置きが長くなりました。

2019年Q4の収支報公会で話されたtZEROの進捗状況をまとめます。

 

tZEROの進捗状況

2019年はtZEROにとって「構築」の時間であったと。主に「プロダクトの開発」に力を入れていました。

でもって、金融資本市場とブロックチェーンの融合という会社の目的を達成するために、規制当局との調和にも力を入れているとのことです。

2019年は「構築」の年でありましたが、2020年からは「成長」と「発展」の年になるって事で期待が膨らみます。

 

■tZEROの展望概要

tZEROは次世代の資本市場のプラットフォーム

最初に会社が何をやっているか?という復習ですね。

いわゆる株式だったり不動産だったり、債券だったりの「アセット(=資産)」をセキュリティトークンと呼ばれる形式にデジタル化して、ちゃんと金融規制に従って、そのセキュリティトークンを市場で売買する事がtZEROの目的です。

これが次世代の金融市場のプラットフォームだという事ですね。

tZEROは「資金調達して流動性を求める発行者」と「新しい形式の証券に興味がある投資家」を結ぶ役割をします。

例えば、2019年のQ4にtZEROはイギリスの高級不動産River Plazaとサインをしてマンチェスターの高級不動産の資金調達を行うわけですが、ブローカーディーラーやRiver Plazaの顧客を巻き込んで、資産のトークン化を行います。

でもって27億円分くらいのトークン化された資産がtZEROが提供するtZEROATSにて売買されます。

これによりRiverPlazaに投資した投資家は自分の証券を二次市場で売却する事もできますし、新たな投資家は二次市場にて購入する事も可能です。つまり「資産の民主化」を実現できるという事ですね。より多くの投資家が伝統的な投資商品にアクセスできるようになるという事を実現したいわけです。

 

■tZEROATSの取引高

こちらのスライドは2019年のtZEROATSでの「延べ取引高」です。

「延べ」なので同一のものがいくつ重複しても、それぞれ一つとして数え合計することです。

2019年の夏から一般投資家でもDinosaur Financial Groupというブローカーディーラーにて口座開設が可能になり、TZROPが非適格投資家でも売買できるようになりました。

・200万枚の証券が売買
・トータル約5億円分のデジタル証券が売買
・1日平均約230万分のデジタル証券が売買

という事だそうです。

すべて延べで計算しているので、1人の投資家が1000枚の証券を10回売ったり買ったりしても10,000枚で計算されます。

まだまだ流動性があるとは言えない状況ですね。

 

■仮想通貨ウォレットの開設数

デジタル証券の売買に関するビジネス以外にも、ウォレットでの仮想通貨の売買をtZEROはスタートしていて、将来的にはこのウォレットでもデジタル証券の売買ができるよういなって、ビットコインやイーサリアムの仮想通貨を入金してデジタル証券を買えるようにもするみたいです。

仮想通貨ウォレットは2019年の6月にローンチしましたが、2020年2月現在で口座開設数は10倍に増えました。

それでもまだ約6,000なのでまだまだの数字ではあります。

tZERO仮想通貨ウォレットはまだまだマーケティング活動を本格的にしていないそうです。

というのも、ニューヨークのライセンスを取得しないとニューヨーク市民の口座開設ができないので、規制当局からの承認待ちという事だそうです。

tZERoの仮想通貨ウォレットアプリのライセンスに関しては以下のリンクから確認できます。

→ https://www.tzero.com/crypto-app/licenses.pdf

 

■tZEROのビジネス優先順位

1、クオリティの高い証券の扱い
2、流動性
3、エクスペリエンス

まずはtZEROATSで扱う質の高い証券を増やすという事と証券に流動性を持たせるという事。さらに、そういったデジタル証券エコシステムを世界に作り出す経験というか環境を提供するという事ですね。

 

■クオリティの高い証券の扱い

最初の課題はtZEROATSにて扱う質の高い証券の扱いを増やすこと。

3つのカテゴリーに分類されて、1つ目が「STO」。資金調達を行う企業を増やすという事で、最近のもので注目度の高いものが先述したRiverplazaの件。

2019年Q4にアライアンスインベストメントとサインをして、約25億円分の高級不動産のトークン化を手掛けます。

そして、前回の収支報告会から新たに3社のブローカーディーラーや資金調達エージェントと「コミッションシェアリングアグリーメント」についてサインをしたそうです。

要は企業が資金調達を行う時に、ブローカーや資金調達エージェントとtZEROでどれだけの取り分にしましょうね!という契約ですね。

これで11社と契約済です。

11社のブローカーや資金調達エージェントが企業が資金調達を行う際にtZEROとサインしているので、資金調達の手数料配分が決まっているとういわけですね。

そして10~15社の新たなブローカーや資金調達エージェントとも新たな契約について協議中との事です。

この内容は非常に重要で新たに企業がSTOを実施する時には、資金調達のライセンスを持ったエージェントが間に入る必要があるので、手数料の取り決めをtZEROと行い協業する事で彼らも資金調達する企業にtZEROの事をセールスしてくれるわけなんでね。

 

次のカテゴリーは新たな資金調達というSTOとは違って、「既存の証券のトークン化」という分野です。

こちらはすでに証券を発行している企業が、その証券をトークン化する事でデジタル証券のメリットを享受するというものです。

STOに比べてはビジネスとしての力の入れ方はプライオリティ的に低めだそうですが、12~3社と協議中との事です。やはり不動産私募証券がメインなのでしょうかね。

 

最後のカテゴリーは「既に発行されたセキュリティトークンの売買」です。

ご存知のようにtZEROはSecuritizeとも提携をしていまして、Securitizeで発行された証券がtZEROATSにて売買される可能性もあるという事です。

証券発行企業にとっては、tZEROATSにて取り扱いされる事によって、既にDinoに口座を開設している投資家にリーチする事が可能という事です。つまり、自社で発行したセキュリティトークンを信頼できるATS(取引所)に上場させるという事ですね。

セキュリティトークン市場の課題は新たな投資家の参入と流動性の確保なので、tZEROにアプローチしているわけでしょう。

個人的な予想としてはSecuritize発行の証券で1番最初にtZEROATSにて扱われるのはNYCQのトークンだと思っています。2~3か月以内に扱われるんじゃないでしょうかね。

これはtZEROにとってもプラスの出来事です。

なぜならSecuritizeにて発行された証券を持っている投資家が、tZEROと提携しているDinoのような証券口座の開設するという事で売買されたらtZEROATSの取引手数料が増えますからね。だからといってなんでもかんでも扱うのではなくて、かなりデューデリジェンスしているみたいです。

 

でもって、潜在的な証券発行体が200社以上tZEROとディスカッション中だそうです。

こちらもtZEROはデューデリジェンスをしっかりしているとの事。

 

■流動性

 

まずは延期になっていたOSTKOの配当について。

ナスダックに上場しているOverstock(OSTK)の株式を10株につき1株のOSTKOというデジタル証券を配当で支払う!という事を去年の7月くらいに発表していました。

つまり、Overstockの株主はファンドやら含めて40,000~50,000人いるわけですが、彼らは配当としてデジタル証券を受け取る事ができて、このセキュリティトークンエコシステムに入るという事です。

しかし、実行するためには株主に委任投票して規約を変更しなければいけない事が判明。

2019年12月に米国証券取引委員会に委任投票に関する書類を提出して2020年1月には投資家に投票用紙が届きました。

そちらが2020年2月18日に投票結果が発表されて、無事に投資家はOSTKOの配当を受け取る事で合意。あとはいつ配布されるのか?というのを規制当局の承認待ちというところです。

そして今回の収支報告会で面白い事が言われていましたが、OSTKの株式を扱っているブローカーディーラー(証券会社)から多数の関心が寄せられているそうです。

ブローカーディーラーとしても彼らの顧客がOSTKOというデジタル証券を受け取って、顧客のために売買できるようにしないといけないので、tZEROATSとの接続に関して関心を示しているというわけです。

このOSTKOの施策はOSTK株の保有者だけでなく、ブローカーディーラーもセキュリティトークンのエコシステムに巻き込むことになります。

一気に動きがでるか!!という所ですね。

 

次は前回発表のあった、tZERO自社の証券会社のオープンに加えて、第三者証券会社との接続に関してです。

tZEROは新たに5社の証券会社と契約を結びました。

5社のうちの1つであるChoice Tradeという証券会社とは技術の統合が既に完了。Choice Tradeは前回の収支報告会でも発表があった証券会社ですね。

2020年3月14日時点ではtZEROが発行した証券のTZROPを扱っているのは、Dinosaur Financial Groupという証券会社だけですが、これが近いうちに5社に増えるという事です。

そしてそのうちの1社のChoice Tradeは既に技術統合が完了しているので、近日中に取り扱われるという事ですが、取扱開始には規制当局の承認が必要です。

規制当局の承認が得れ次第、取扱開始になるので、この5社が抱えている顧客とTZROPに接点ができるというわけです。

そして100社以上のブローカーディーラーと契約について協議中との事です。

tZERO自社の一般投資家向け証券会社に関して言えば、2020年Q2(4~6月)のオープンを目指していますが、こちらは規制当局の承認待ちです。承認され次第オープンだそうです。

 

最後に、ボストンオプション証券取引所とのジョイントベンチャーに関してです。

ボストンオプション証券取引所はいわゆる「National Securities Exchanges」と言われる取引所で、ニューヨーク証券取引所やナスダックと同じライセンスで運営をしています。

親会社はカナダのTMX Groupdでトロント証券取引所やモントリオール証券取引所を運営している会社ですね。

tZEROはボストンオプション証券取引所と共同で、「BSTX(=ボストンセキュリティトークン取引所)」の開設を目指しています。つまり、上記の同じライセンス、日本語で言うところの国法取引所の開設をするという事ですね。

BSTXに関して言えば、昨年のルールブックをSECに提出して11月にSECから公表されました。

その後、SECからマーケットメイカーを増やす事などの宿題が出されて、再提出。現在はパブリックコメントの募集期間が延長されているところです。

BSTXがSECに提出した書類はこちら

→ https://www.sec.gov/comments/sr-box-2019-19/srbox201919-6613675-202939.pdf

 

規制当局が承認するか、新たに宿題が出されるのか?に関しては2020年Q2(4~6月)を予定しています。

ここで承認されれば、BSTXがオープンする事になるわけですが、厳しい金融ライセンスの下、運営をするわけなのでボストンオプション証券取引所のようなノウハウがある企業とJVしているわけですね。

BSTXがオープンしたら一気に知名度が上がりますよね。

仮想通貨のような成熟していない市場とは違って、ゴリゴリの金融市場の企業が顧客のターゲットになるわけですから、動くお金がケタ変わってきます。

 

■エクスペリエンス

エクスペリエンスというのは「経験」という意味ですが、意味あいでは「環境」とかった意味ですかね。

日本語にするの難しいです。投資家にとってこのセキュリティトークンのエコシステムを利用できるように環境を整えるみたいな意味で使われています。

 

まず、口座開設に関してですが当初は1日5件くらいしか処理できませんでした。去年の1月くらいの話ですかね。

それが現在では1日に5,000件の口座開設が可能になるようにシステム的に改善されたという事です。色んな国に対応しないといけないので、どんどんインターフェースが更新されていきましたからね。

また、Dinosaur Financial Groupの取引画面のチャートにて「OrderBook」が追加されました。いわゆる板取引です。

〇〇ドルに〇〇枚の買いや売り注文が入っていると可視化できるやつですね。

相対取引なので板がスカスカですが、0.01ドルと50ドルに強欲な指値が入っています。私も500ドルあたりに強欲な売り指値を入れておいて、キャプチャ撮って数年後に約定して伝説となろうかなと思います。

 

他にもマーケットデータが公表されるようになりました。

→ https://ats.tzero.com/market-data

まだOSTKOとTZROPしかありませんが、こういったのもキャプチャ撮っておくと将来楽しみですよねー。

この記事を書いている2020年3月14日現在、世界経済の下落の影響もあってかTZROPの価格もだいぶ下がっていますね。

こういったマーケットデータというのはニューヨーク証券取引所もナスダックも公表していますから、お調べになって見てみてください。

 

他にも仮想通貨ウォレットのロードタイムが短くなったりと、投資家の環境が整えられてきているみたいです。

 

■ロードマップ

これからのロードマップに関してですが、

・OSTKOの配の支払
・Tezos(テゾス)のブロックチェーンとの統合
・BSTXの技術アップデート
・一般投資家向けtZERO証券会社のオープン
・証券の清算業務会社のサポート
・アプリでのセキュリティトークンの売買

 

まとめると2020年はかなり忙しいスタートを切ったわけですが、2019年に構築して開発してきたものを2020年に一気に拡大するというフェーズですね。

金融規制当局とも協議を重ねながら一歩ずつ進めていっているので、非常に楽しみです。

 

 

まとめ

今回の記事では2019年Q4のOverstockの収支報告会にて言及のあったtZEROの進捗状況についてまとめました。

tZEROに投資する時に、ブロックチェーンを使った証券取引の未来に関して私はベット(賭け)ましたので、5~10年証券をホールドする事は既に決めています。

現在、相対取引で安く売りに出されている状況は正直面白くないですが、上場株式ってわけでもないですし、企業が成長して利益を生み出すには時間がかかりますから気にしないようにしています。

 

前回の収支報告会と今回の報告会でも発表があったように、2020年はtZEROにとって激動の年となりそうなので、非常に楽しみですね。

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